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読むと気持ちよくなる不思議な魅力のマッサージ漫画 : 異形エステティック レビュー

 

タイトル:異形エステティック

  作者:鈍色家電

  年代:2020年

  巻数:全2巻

 

あらすじ・概要

 街の一角にひっそりと存在するマッサージ店。凄腕のエステシャンが、来店する女性たちを癒します。

 しかし、何処かに、何かに、違和感があります。そう、あのミステリアスで美人な店員さんは、どんな顔でしたっけ。他にも何かを忘れている様な気が。

 本格的なマッサージ漫画にして、登場するエステシャンは皆、人外異形。

 唯一無二の不思議な魅力のマッサージ漫画です。

 

マッサージが心地よく、キャラクターの掛け合いが楽しい漫画

 この漫画はとても混沌とした不思議な魅力のある漫画で、その面白さを全て言葉で伝えるのは難しいです。とりあえず、説明のしやすい部分を2カ所程挙げさせていただきます。

 1つ目は、マッサージの描写です。本格的なマッサージ漫画それ自体が貴重ですが、この漫画はまさにそのマッサージの描写が凄いのです。

 描写が非常に丁寧で、読んでいると実際にマッサージを受けている様な気持ちよさを感じてきます。

 特に手や指が筋肉を刺激する表現が素晴らしいです。筋肉のどの部位に、どのように力が加わっているのかを正確にイメージできるため、その心地よさを想像できてしまうわけです。

 2つ目はキャラクター同士の会話。セリフのセンス、掛け合いの楽しさです。

 異形の店員さんと人間のお客さんの会話も、施術外の日常パートでの会話も、皆さん非常に面白い喋りをしています。

 ボケとツッコミ、ウィットに富んだジョーク、面白い言い回し、認識のズレから来る言葉のニュアンスの取り違い、雑過ぎて逆に笑えて来る説明等々、色々とセリフが面白い上に、それらを含んだ会話のテンポ・リズムがとても心地よいです

 この漫画は雰囲気がかなり独特である上に、異形の存在たちに関する説明もほとんどないので、その辺りで好みが別れるかもしれません。

 作中で起きること、世界観について、一から十まで説明が欲しいタイプの人は物足りなく感じることでしょう。

 逆に、作中の描写や、断片的な言葉などから情報を拾い集めて、あれこれと想像するのが楽しいというタイプの人は楽しめるかと思います。

 最大の欠点は2巻で完結してしまっている点でしょうか。

 この漫画を好きになればなる程、気持ちいい・楽しいと思えば思う程、物足りなさも感じてしまいます。

 

こんな人にオススメです。

  • 心地よさを伝えて来るマッサージパートで、気持ちよく癒されてみたい人。
  • 正体不明の異形たちのアレコレについて、色々と想像をして楽しみたい人。

 

こんな人にはオススメできません。

  • 単眼、多腕、触手等の異形要素の苦手な人。
  • 漫画の世界観や、物語の背景について、全てにすっきりとした説明が欲しい人。