コミックコーナーのモニュメント

「感想【ネタバレを含みます】」カテゴリーの記事はネタバレありの感想です。 「漫画紹介」カテゴリーの記事は、ネタバレなし、もしくはネタバレを最小限にした漫画を紹介する形のレビューとなっています。

様々な形の人と機械の絆の在り方 : メカニカル バディ ユニバース レビュー


メカニカル バディ ユニバース (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

 

タイトル:メカニカル バディ ユニバース

  作者:加藤拓弐

  年代:2022

  巻数:全1巻

 

あらすじ・概要

 大戦の後に荒廃した未来社会。ポストアポカリプスな世界観を舞台に様々な「人と機械の絆」が描かれます。

 拾った赤子を育てるために、女性型のスキンパーツを装備し、母親になった戦闘用アンドロイドと、育てられた子供の傭兵親子。

 大戦中に敷設されたまま放置され、数十年の思考の結果、人間の少女に一目ぼれする程に自我を確立した狙撃機銃付随AIと、機銃に告白された少女。2人の秘密の活動。

 人型戦車部隊を率いて大戦を戦い抜き、今でも現役の凄腕戦車乗りのロックなお婆さんと、その相棒。

 メイド兼ボディーガードである人間の少女と、超高性能アンドロイドのお嬢様の複雑な関係。

 人間でも機械でもない存在にされ、自分たちを「怪異」と称する少女とその一味。

 加藤拓弐先生がSNSに趣味でアップしていた作品群を集めた単行本です。

 同じ世界を生きる登場人物たちそれぞれの物語が描かれ、それらが交わることもあるSFオムニバスです。

 

作者が自分の好きな物を詰め込んだ世界と魅力的なキャラクター達

 登場人物たちの尊い関係性、ポストアポカリプスのいい雰囲気のある世界観、細かい所まで凝ったメカニックデザイン、奇抜なアイディアをさらにインパクトのある画として出力する漫画センスと、魅力が溢れる単行本です。

 加藤拓弐先生がSNS上にアップしていた漫画を集めた短編集という意味では『バックヤード ジャンク ユニバース』と同じですが、あちらが異世界召喚、からくり時代劇、TS魔法少女……他にも他にもな「ごった煮」な短編集であったのに対して、こちらは同じ世界を舞台に複数の主人公たちが活躍するオムニバス形式の短編集となっております。

 SNS上に趣味でアップされていたものなので、商業誌の漫画などに比べると絵の仕上がりが粗いのですが、地の画力が高いためそこまで気になりませんでした。

 超短編を切り張りした形であるため、一般的な連載漫画や、読み切りの短編漫画に比べるとストーリーの進み方が、ダイジェストであるかのような印象を受けるので、人によってはその辺りの方が気になるかもしれません。

 ただ、センスのある作者先生が、自分の好きな物を詰め込んだ世界観なので、刺さる人には刺さります。私も大好きです。

 個のキャラクターよりも、キャラクター同士の関係性に注目して漫画を読む人、ポストアポカリプスな世界観が好きな人、近未来的なリアル寄りのメカが活躍するSFが好きな人などには特にお勧めです。

 この『メカニカル バディ ユニバース』は1冊の短編集として完結していますが、同じ世界が舞台で、同じキャラクターたちが活躍する連載版もあります。

 そちらは『メカニカル バディ ユニバース 1.0』のタイトルになっています。「1.0」がついている方が連載版ですね。

 

こんな人にオススメです。

  • ポストアポカリプスな世界観のSFが好きな人。
  • 機械的な理屈っぽい部分と、妙に人間臭い部分を併せ持つロボットキャラクターが好きな人。

 

こんな人にはオススメできません。

  • ポストアポカリプス設定や、SFが嫌いな人。
  • 作画や、ストーリー構成のクオリティーの高い連載版から読み始めたい人。