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お嬢さまと巨人の姉妹。仁義なきものとの闘い:お姉さまと巨人(わたし) お嬢さまが異世界転生 レビュー


お姉さまと巨人 お嬢さまが異世界転生 (1) (青騎士コミックス)

 

タイトル:お姉さまと巨人(わたし) お嬢さまが異世界転生

  作者:Be-con

  年代:2022年~

  巻数:既刊2巻

 

あらすじ・概要

 電車に轢かれて異世界へ転生したお嬢さま・京極雛子(キョウゴクヒナコ)。

 彼女と姉妹の契りを交わし「お姉さま」と呼び慕う巨人の少女・エイリス。

 冒険者稼業をしながら旅をする2人の目的は、ヒナコと共に転生したヒナコの「お姉さま」と、エイリスの兄弟たちを捜し出すこと。

 ヒナコとエイリスの姉妹の絆。

 巨人少女や巨大生物の圧倒的なサイズ・スケールの表現。

 少しずつヴェールを脱いでいく異世界の謎と闇。

 他にも見所が沢山、魅力が盛沢山の異世界ファンタジー

 

百合と巨人。ダークファンタジーにSF。見所と魅力が盛沢山。

 タイトルや「姉妹の契り」というキーワードから連想した方も多いかと思いますが、百合です。

 百合の方向性としては純粋な姉妹の絆や、女同士のバディモノとしての側面が強いですが、ドロドロしたものも出てきます。

 そして、この漫画ならではの特徴として、まず真っ先に挙げておきたいのが、巨人のエイリスを始めとした巨大生物のサイズ表現・スケール表現の妙です。

 構図やアングルの面で工夫もされていて、人間大と圧倒的な巨体とのサイズ差の表現は的確であると同時に、この漫画ならではの特色になっています。

 戦闘場面はもとより、主人公の2人が並んで街を歩いていたり、川に作った即席の露天風呂に入浴していたりといった何気ない場面でも、的確なサイズ差の描写のおかげで、他の漫画ではあまり見たことのない面白い絵になります。

 何処か他所で見たことがありそうな場面・シチュエーションでも、サイズ差のせいで全然違う構図になってしまうこともあって、そのせいで笑ってしまったこともありました。

 舞台となる「異世界」の様々な設定や世界観も、一見、流行の異世界召喚・転生系にありがちなファンタジー世界の様で、実際は大分毛色が違います。

 回を追うごとにその毛色の違いや、異世界の闇が、段々と明らかになっていくのも楽しみ所の1つです。今時の一般的な異世界転生・召喚モノへのアンチテーゼ的な側面もあるかもしれません。

 少しずつ明らかになっていく異世界事情も面白い部分なので、ネタバレを避けるために、ざっくりした表現になりますが、世界観としては「ダークファンタジー」ですね。独特の風味を出すために「SF」も大匙一杯。

 作者であるBe-con先生があとがきで語られたこの漫画のコンセプトは、「明日 死んでもいいキャラ作り」。怒られるまで好きなものを詰め込んでみようとのことです。

 その時に列挙されたキーワードは「百合、極道、巨大娘、身長差、ロボット、SF、怪獣、ファンタジー、ホラー」。

 これだけ詰め込むとごちゃごちゃしそうですが、漫画としてとてもすっきりとまとまっており、むしろ各話ごとでも、物語全体でも、そのテンポの良さも作品の特徴として挙げたいぐらいです。

 たまに小さなコマがあるのが少しだけ気になりましたが、単行本や、電子書籍版をパソコンやiPadで読む分には問題はないかと。スマホの場合は拡大機能を使う必要があるかもしれません。

 

 

こんな人にオススメです。

  • 姉としての矜持のある肝の座ったお嬢さまと、強いけれど泣き虫な巨人少女の2人旅を見てみたい人。※展開により同行者が増えることはあります。
  • 百合と巨大娘、ダークファンタジーとSF、異世界転生と残酷なファンタジー世界。これらの言葉の組み合わせに浪漫を感じる人。興味を惹かれる人。

 

こんな人にはオススメできません。

  • ほのぼのした百合、ほのぼのした異世界スローライフな漫画を読みたい人。
  • ホラーやグロテスクな描写、残酷な展開が苦手な人。