バックヤード ジャンク ユニバース (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
タイトル:バックヤード ジャンク ユニバース
作者:加藤拓弐
年代:2023年
巻数:全1巻
あらすじ・概要
長命種族と人間の愛。
魔法少女に変身する少年の切実な悩み。
よくある異世界召喚シチュエーションで、とんでもなくスケールの大きな勇者が登場。
憧れたエルフのおとぎ話に、情熱と生涯の全てをささげた男の物語。
ロボット談義で盛り上がる「わかっている」少女たち。
他にも他にも。
加藤拓弐先生が趣味でSNSに投稿していた作品群を集めた短編集です。
短めの漫画をいろいろな種類取り合わせた賑やで楽しい構成となっております。
ロボットの浪漫、メカの造形美、TS他、作者の好きなもの詰め合わせ
収録されている漫画の内容は多種多様。ただ、傾向の偏りはあり、SFやメカが多めになっています。
全体的に奇抜なアイディアの作品が多いですが、アイディアをこねくり回したり、深堀したりする感じの作品よりも、最初に奇をてらった勢いのままかっ飛んでいく様な漫画がほとんどでした。漫画の勢いと、画面の絵面で笑えます。
SFメカや、ロボットが好きな人には、加藤拓弐先生のメカ愛や、こだわりが伝わると思います。
「魔法少女あキララ☆」や、「エルフロイド森聖国物語」等の一部作品は、TS(トランスセクシャル)ジャンルが好きな人にお勧めしたいですね。
全体的には奇抜な漫画が好きな人向けという印象です。
一番長い「魔法少女あキララ☆」が51ページ、他の短編は長くとも30ページ台で、大部分の作品は1ページから数ページ程の超短編作品。
超短編でない作品も数ページごとに話が一段落する「連作超短編形式」になっているものがほとんどなので、隙間時間に読むのにちょうどいいかもしれません。
元々が趣味でSNSにアップされていた漫画なので、一部、絵の仕上がりを粗く感じた場面もありましたが、読み終わると、むしろ地の画力の高さや、表現力に驚くことの方が多かったです。
「加藤拓弐先生の他の商業連載を基準に考えると粗い」という言い方が正しいかもしれません。少なくとも仕上がりの粗さで白けたり、話の内容が分からなくなったりは一度もありませんでした。
前提の説明を省いた「あるある」的なシチュエーションの漫画が多いので、SF、リアルロボット、スーパーロボット、合体シーンのロマン、プラモデル、異世界召喚、古典のラブコメゲーム、「オタクに優しいギャル」構文、「間に挟まる」概念、某孤独なグルメ漫画、ロボット工学の三原則等についての最低限の知識と言いますか、なんとなくそういうものについて理解がある人だとより楽しめます。
わからなかったらわからなかったでも、勢いで笑えるとは思いますが。
こんな人にオススメです。
- 普段から漫画や、アニメに親しみがある人。
- 合体するスーパーロボットにも、量産型のリアルロボットにも浪漫を感じる人。
こんな人にはオススメできません。
- 普段あまり漫画や、アニメに親しみがない人。
- ロボットや、SFメカや、TSに興味がない人。